アナログCMOS回路のポイントを紹介し、勉強の支援をすることが、本サイトの目的です。アナログCMOS回路に関する参考書は、優れたものが多数出版されており、筆者も毎日のようにお世話になっています。

 しかしながら、参考書というのはその性質上、基本的な項目を一通り網羅しなくてはいけないため、勉強を進める中で何が大事なのか、ポイントを絞って示すことは困難です。本サイトではそれらの参考書を補佐して、アナログCMOS回路の勉強の敷居を下げる役割を果たしたいと思っています。

 とは言いましても、筆者は回路設計者としてはまだまだ駆け出しの身です。みなさんと一緒に勉強を進めていけたら嬉しく思います。

 

 アナログCMOS回路に限らず、ものの仕組みや理論は、人から教えてもらったり、本やWebサイトに書いてあることを一回読んだりするだけでは体得することはできません。よほど頭のいい人でない限り、自分自身で何度も繰り返し勉強して、やっと身につくものなのです。

 ただし、何度も勉強するといってもアナログCMOS回路の世界は奥が深く、全ての内容を繰り返し勉強しようとすると、それだけで一生が終わってしまいます。勉強して覚えたことを、仕事や研究に活かす時間がなくなってしまいます。それでは優れた回路設計者はどのように勉強してきたのでしょうか。

 そこで、彼らをよく観察してみると、項目ごとに理解の深さが異なっているようだということが見えてきました。絶対に理解しておかなくてはいけない項目、そこそこ理解しておくべき項目、必要なときに参考書で確認すればいい程度の項目に分かれているようです。これは、絶対に理解しておかなくてはいけない項目を頂点にした、逆ピラミッドになっています。言い換えると、アナログCMOS回路設計において、数少ない重要な肝をしっかりとおさえてさえいれば、多少複雑な回路でも、肝となる項目をいくつか組み立てることで容易に理解できるようになるということです。

 本サイトでは、アナログCMOS回路設計に必要な数多くの要素から、大事なポイントを絞って紹介していきたいと思います。ただし、このサイトに書いてあることを読んで、すぐに回路設計ができるようにはなりません。その内容を理解するために何度も参考書を読むことをお薦めします。そのためにも、参考書は人や図書館から借りるのではなく、自分のための本を購入した方がよいと思います。

 最近の色々なビジネス書にもよく書かれていますが、会社のお金ではなくて身銭を切って買うことが大切です。あえて自分でお金を払って苦しい思いをすることで、もとをとってやろうという気持ちになります。すると、勉強に対する集中力が飛躍的に高まり、半分くらいの時間で勉強が済んでしまうと思います。つまり、身銭を切ることで、集中力と時間を買うのです。是非ともご一考いただきたいと思います。

 

 

目次へ