参考書 

  本サイトで引用する予定の参考書をご紹介します。また引用する際には、文章が煩雑になることを避けるために、略記にて表記させていただくことがあります。

 

略記:「谷口CMOS」
LSI設計のためのCMOSアナログ回路入門 (半導体シリーズ)
谷口 研二、CQ出版

  複雑に絡み合うCMOSアナログ回路の世界を、平たい言葉を使いながらも豊かな表現力で解きほぐして教えてくれます。アナログ CMOS 回路に必要なエッセンスを見事に抽出し、1冊の本に落とし込んでいます。ただし、数式の登場は限られています。この参考書でその項目の外観を掴んで、具体的な設計は他の参考書を頼りにするとよいと思います。

 

 略記:「OPアンプ実務設計」
CMOS OPアンプ回路実務設計の基礎―これからアナログIC設計を学ぶ人のための (半導体シリーズ)
吉澤 浩和、CQ出版

  CMOSアナログ回路の設計で最も大切なオペアンプの設計の手順を分かりやすく教えてくれます。オペアンプの設計要素は非常に多いため、初心者は色々な項目に気を取られてしまって、勉強を先に進めず挫折することがよくあります。この参考書は余計な情報を削って、オペアンプの設計にとって特に重要な概念に絞っています。ただし、具体的な数値を使った計算の例は示されていません。具体的な設計は、以下の2冊がおすすめです。

 

 略記:「CMOS Analog」
Cmos Analog Circuit Design (The Oxford Series in Electrical and Computer Engineering)
Phillip E. Allen, Douglas R. Holberg, P. E. Allen, Oxford Univ Pr, 2nd Edition

  極めて良書です。CMOSアナログ回路設計に関する基本的な内容を幅広く網羅しつつ、ほぼ実際のプロセスのパラメータを使った具体的な計算過程も示してくれています。英語で書かれているため、いきなり読み始めるのは厳しいと思いますが、前に紹介した2冊の本で外観を掴んだ後であれば、比較的容易に読むことができます。全ての英語を理解できなくとも、豊富な図と数式によって、設計の流れを良く理解することができます。新しい回路の設計に臨む時に、まずはじめに手に取って読みたくなる参考書です。

 

 略記:「CMOS IEEE」
CMOS: Circuit Design, Layout, and Simulation (IEEE Press Series on Microelectronic Systems)
R. Jacob Baker, David E. Boyce, IEEE, 2nd Edition

  恐ろしく良書です。本を開くとまず、CMOSの回路図の多さに圧倒されます。図が多いために、英文であることの苦痛を感じさせません。CMOS 回路の入門書に位置づけられる参考書の中で、アナログとデジタルの両方を盛り込んであるという珍しく貴重な本です。そのため、アナログ回路については上で挙げた「CMOS Analog」にはかないませんが、「CMOS Analog」にのっていないアナログ回路も書かれています。さらに極めつけは、この参考書内の練習問題の解答が、公式サイトの中で丁寧に解説されており、それに関連するシミュレーション用ファイルも用意されていることです。無料 SPICE に加えて、Cadence ツール用の環境ファイルもラインナップされていることには驚きです。「CMOS Analog」と合わせて持っておくと、基本的な回路の設計はおおよそ事足りると思います。

  

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